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こんばんは。またやっちまったのしかったです。

なにか降臨したときに書くと、とってもサラサラっと楽しく書けるのです。

それは一次だろうが二次だろうが仕事の提出用書類だろうが同じなのです(仕事のはいつでも書けよ)。

ってなわけでやっちまいました。
二次創作。



一次もじんわり進んでるんですよ!?



ここ数日来てくださった方、ありがとうございました。
また適当に遊びに来てくださいね~!ヽ(´∀`*)ノ



以下、刀剣乱舞の二次創作です。
自本丸設定です。
譲れないキャラ像がある方は読まないでください。

初期4振(歌仙・前田・五虎退・同田貫)の頃のことです。




◆豚のかくニケーション(同田貫・歌仙・五虎退・前田) 初期4振の頃

 最初の冬の、ある月末のことだった。

「畑仕事ぉ!? 俺は美術品じゃねぇし、農具でもねえっての!!」
「分かってるよ。僕もそう思う。大体、雅じゃない。こんなのは僕の仕事じゃないね」
 息巻いた同田貫正国に、歌仙兼定はどこか悟った様に言った。
 質実剛健、強ければいい、そういう同田貫正国。風流を愛する歌仙兼定。理由は異なれど、泥にまみれて農具の真似事をするなど、とても我慢ならない。
 歌仙兼定は、その我慢ならないという気持ちだけは共感できた。雅を解するとはとても思えないこの同田貫正国という刀。四振目の刀。もうちょっと他に、雅の分かる刀が来ればよかったのに――…贅沢は言っていられない。
「しかしこの本丸にはまだ4振しか刀がいないんだ。煩わしいが人の体を授かった以上、食べないわけにはいかない。そして食べるためには――…」
「分ぁってるよ。くそっ。やればいいんだろっ!?」
 案外早くに、同田貫正国はそう言って腹を括ったようだ。歌仙兼定はほっとして――同時に、無意識に緊張していたと気がついた――、頷いた。
「ああ、そうだ。じゃ、よろしく頼むよ」
「はあ!? てめえどこ行くんだよ」
 農具を押し付けるように手渡して、歌仙兼定は颯爽と去ろうとする。一度だけ同田貫正国を振り返った。
「厨だ。僕は今日、畑仕事担当ではないからな。これからは2日に一度ではなく3日に一度の頻度になりそうだ。君が来てくれてよかったよ、同田貫」
 腹が立つほどいい笑顔だった。
「同田貫さん!」
「あぁ!?」
 呼び声に振り返ると、前田藤四郎。同田貫の怒りの形相に一時怯んだ。
「あ…あの、今日の畑当番、よろしくお願いします。一緒に頑張りましょう!」
 頷かざるを得ない爽やかな笑顔だった。
 すっかり怒りも冷めて、同田貫正国は、はあ、と大きなため息をついた。
「仕方ねえ…仕事はちゃんとやるよ。よろしくな」
「はい!」



 厨では五虎退がエプロンを付け終えたところだった。
「あっ、歌仙さん」
「待たせてすまないね、五虎退。あの新参者を説得するのに手間取ってしまった」
「新参…同田貫さんですか?」
「ああ」
「…けんか、したんですか?」
 心配そうに眉根を下げた五虎退に、歌仙兼定はいいや、と笑った。しかしその笑みもすぐに影を潜めてしまう。
「喧嘩なんてしていないよ。心配させてすまないね。ただ、あれは、少々…雅に欠ける。僕と理由は違えど、畑仕事が嫌だという気持ちはよく分かる。しかしあの物言い…。戦闘では頼りになるかもしれないが、日常生活においては、どうだろうね…」
 歌仙兼定はフックに掛けてあったエプロンを手に取りながら、はあ、とひとつため息をついた。
 五虎退は、じっ、とその様子を見ていた。早速食事の準備に取り掛かろうとする歌仙兼定に、おずおずと呼びかける。
「あ、あの、歌仙さん」
「ん? なんだい?」
 応じる声も表情も、いつもの柔らかなものに戻っていた。言葉を引っ込めそうになった五虎退はしかし、待ってくれている歌仙兼定へ、思い切って声を出す。
「あの…ど、同田貫さんは、多分、本当は優しいです…」
 歌仙兼定は少し驚いた様子で、そして疑問でいっぱいの表情を一瞬みせた。そして純粋に問いかけた。
「どうしてそう思うんだい?」
 五虎退は、同田貫正国がまさに顕現したばかりの昨日のことを思い出した。少し俯いて、五虎退は話し出す。
「僕、同田貫さんに、ご挨拶にいったんです…これからよろしくお願いします、って。でも、あの…その、こ、怖くて…ご、ごめんなさい。ちゃんと挨拶出来なかったんです…そしたら」
 顔を上げた五虎退は、嬉しそうに目を細めた。
「そのあとで会った時に、同田貫さんが、よろしくなって言ってくれたんです。嬉しくって、はい、って言ったら笑ってくれて。ちゃんと挨拶出来なかったことも、謝れました。同田貫さんは、気にしてないって言ってくれました。
 僕、同田貫さんが来てくれて良かったって思います。きっと、歌仙さんとも仲良くなれると、思うんです。だから…あの…えっと…仲良くなれないんじゃないかって思うのは、まだ、その…は、早い、かな、って思って…あの…す、すみません」
 五虎退は顔を赤くしてまた俯いた。
 しばしの間。歌仙兼定はやがて五虎退に呼びかけた。
「五虎退」
「は、はい」
 顔を上げた五虎退は、歌仙兼定が腹を立てるでもなく、笑っているのでもなく、どこか緊張しているように感じた。
「話してくれてありがとう。悪いが、ひとつ、頼まれてくれるかい?」
「? はい」


(つづきます)

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