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こんばんは。

よーしよし、過ぎてしまえば連勤だってあっという間!
明日は元気に研修でーす。1時間+の軽いやつですけど予習していかないと恥ずかしい目に遭いうるから予習必須。



あら、こないだの加筆修正の記事に拍手をありがとうございます。
いや、加筆修正のほうなのかインフルのほうなのか両方なのか、どれへの拍手かは分かりませんが、どれであっても嬉しいです(´v`*) ありがとうございます。
またぶらっと遊びに来てくださいね!


以下、つづきから、二次創作(刀剣乱舞)。
毎度のことですがなんでも許せる人のみお読みくださいね。



◆亥の方の番人
(大典太・小烏丸・歌仙(極)・鶴丸 + 前田(極)・不動(極)・後藤・浦島・岩融・陸奥守)
(※なんちゃって土佐弁。  ※結界等の設定? 深く考えません。
 ※いつにもまして、ただただ、平和なだけです。  ※むしゃくしゃして数時間で書いた。楽しかったですすみませんありがとうございます。)



 大典太光世が来た頃には、畑はそこそこ広大で、畑当番は2振を中心にした4~6振で行っていた。
 冬に休む畑の土は、虫にやられないように、混ぜてひっくり返して冷たい空気に触れさせるのだそうだ。
 ざくざくと、鍬で土をひっくり返して畑の隅の方まで来たとき、ふと、傍の茂みから気配を感じた。ふと顔を上げると、山の隣人と目が合った。
 猪だ。
 見ている分には愛らしさすら感じるが、人間たちはこれを追い払うために様々な工夫をするという。山に食べ物が少ないと、畑の作物をかじっていってしまうらしい。
 中途半端に土へ突き立てたままだった鍬を引いて、大典太光世は告げた。
「…ここには何もないぞ」
 よく俺を恐れずにここに来たものだと考えると、ふと、この猪にはここへ来なければならない理由があったのではないかと、思えてきた。
「…芋か? …山にも木の実があるだろう。悪いがそっちを食べてくれ」
 猪に背中を向けるのは良くないらしいと聞いていたので、去るまで待つしかなかった。まだここで土をひっくり返さなければならない。
 しかし猪は去らない。ただふんふん鼻を動かして、小さく数歩、茂みから出てくる。
 毛を逆立てたり、足で地面を掻いたりするのは威嚇行動だと聞いたが、そんな行動もない。猪突猛進という言葉の通り、突進されれば刀剣男士だって重症になりえるとも聞いているが、どうもこの猪が危険に思えない。
 困った。
 これは困った。
 去ってくれればそれでよし。かかってくるなら少々打って追い払うところだが。
 ぎゅうっと眉根を寄せて困れば、人から見ればかなり不機嫌な顔になる。だが猪にそんな表情をしても関係ない。
「…おい、なんなんだ。俺になにか用があるのか」
 一歩近づけば猪は、くるりと茂みの方へ体を向けて――仮にも人の形をしているものに背を向けるなんて驚きだ――、そして大典太光世がついてくるか確かめるように振り返った。またとことこ、と歩いては振り返って、とこ、と行って振り返る。
 猪は、頭が良いらしい。
「…」
 畑仕事は途中だ。
 しかし山の隣人は、付いてこいと言っているようだ。
「…少しだけだぞ」
 鍬を片手に、隣人について森へ、山へ、踏み込んだ。

「おいおい、猪と話してたぜ、いや、ありゃ山の主か? ありえるよな、山の主様と呼ばないと失礼かもしれんぞ!」
 畑当番中に驚きの光景を目にした鶴丸国永はとっくに鍬なんて放り出して、一番近くにいた前田藤四郎に喜々として報告し、森へ踏み入る大典太光世を目撃した。
 前田藤四郎は、初めこそ目を輝かせていたが、少し冷静になって考える。といっても、少々楽しそうではあるが。
「そうであると良いのですが。しかし、世の中には、人間の姿ではない術者もいますから、なにかの罠だったら…」
「亥の年早々、亥の姿で罠を仕掛けるか? そりゃ頓智が効いてるぜ!」
 皮肉るが、なるほど前田藤四郎の言うことも、ありえなくはない。
「子らよ」
 突然湧いて出た小烏丸に、鶴丸国永は、うわ、と飛び退いた。
「何をしておる? 鶴丸よ、鍬をどこへやってしまった? ん?」
 にこにこと小烏丸は、「父の前でサボろうなどと考えてはおるまいな?」と、言葉にせずとも表情で語る。
「小烏丸さん、実は今、大典太さんが猪に付いて山のほうへ入っていってしまったんです」
 ほう、と興味深そうに小烏丸。
「御山の主か?」
「お、父様もそう思うか!」
「そうだと良いのですが」
 目を輝かせた鶴丸国永と、今度こそ冷静に微笑む前田藤四郎。
「僕は念のため、主君に報告しに行きます。お二人は、大典太さんを追いかけて頂けますか?」
「ふむ、報告にはこの父が行こう。追跡は其方のほうが適任だ。行ってくれるか?」
 心配しすぎだと笑うこともなく、小烏丸は役割をひょいと取り上げた。前田藤四郎は感謝を込めて、はい、と頷く。両者のやりとりに、よし、と鶴丸国永。この太刀が日常から少し逸れた状況を楽しみつつも、いざという時には戦場の刀の鋭さを取り戻せることを、前田藤四郎は知っていた。
「俺も行くぜ。急ごう」

 危険でないならそれでよし。行く先に敵がいたならば、倒さねば。大典太光世が付いていったのなら、あの猪自体は悪いものではないだろう。
 小烏丸は同じく畑当番だった歌仙兼定の元へ走った。今夜使う大根を収穫していた歌仙兼定は、走ってやってきた小烏丸にただ事ではないなにかの気配を察知した。すっと向き直って、やってくるなり報告を始める小烏丸の言葉を聞く。
「大典太光世が猪に付いて山へ入っていったそうだ。前田と鶴丸が追跡しておる。猪自体は悪いものではなさそうだが、万が一に備えて戦闘可能な後続を向かわせたほうが良いと思う」
「分かった。方角は?」
「亥、だな。ふふ」
「…亥、か」
 今年の干支。そして、
「主の結界の切れ目が、近い方角だな。小烏丸さんはこのまま主に報告してください。僕は馬当番、掃除当番あたりの者と山に入ります」
「了解した」
 2振はそれぞれ駆け出す。走りながら小烏丸はぼやいた。
「父と呼んで良いと、言っておろうに」


 歌仙兼定と、浦島虎徹、陸奥守吉行、不動行光、後藤藤四郎、岩融。出会った順だが、悪くない。さっと戦装束を纏い本体を携え刀装を掴み、6振は山へ踏み入った。修行を終えている不動行光を中心に、浦島虎徹、後藤藤四郎が捜索しながら先導する。
「大典太さん、デカイから、通った跡が分かりやすくて助かるぜ」
 後藤藤四郎は、多分、褒めているつもりだ。
「目印も残してくれてるな…」
 不動行光が木に刻まれたバツ印を目ざとく素早く見つけて進む。
「おっ。見て見て! エノキタケ!」
 浦島虎徹が、ひっそりと、楽しそうに指差す先の木には、「×」の代わりだろうか「エノキ↓」と刻まれていて、たしかにキノコが生えていた。
「鶴丸か…」
「うまそうじゃのう」
「がっはっは、帰りに狩って帰るか」
 緊張感に欠けるが声を潜めた会話だ。
 もうすぐ結界の境目だ。本丸の領域は、そこで終わる。防御も隠蔽もされていない場所に出れば、戦闘のリスクはぐんと上がる。
 先頭を行く不動行光が無言で腕を伸ばして制止をかけた。全員息を潜める。不動行光が偵察に向かう。数十秒の後、不動行光と、鶴丸国永が戻ってきた。ほっと空気がゆるんだ。
 内番着の鶴丸国永は、よっ、と片手を上げた。
「やっと来たな。エノキタケは収穫したかい?」
「帰りにするよ。それで、前田と大典太は?」
 さらりと歌仙兼定が流せば、少し面白くなさそうにしながら、鶴丸国永は報告する。
「この先の、結界ギリギリのとこで待ってるぜ。敵さんが抜け道探ってる」
 ピリ、と、刀たちは戦闘を予知して鋭さを纏う。鶴丸国永は飄々と報告を続ける。
「偵察部隊だろう、短刀3脇差2に、高速らしき槍一本、だそうだ。前田の偵察結果だ、恐らく間違いない。合戦なら、負傷必須だろうな。苦無はいないと思われる」
「ふむ」
 本丸が襲撃される事件は、ある。ついに来たか、というのが歌仙兼定の感想だった。偵察部隊の段階で潰しておけるのは有難い。そう、潰すしか選択肢はない。よりによって結界の境目が本丸の建物に近い場所に敵がいるというのは無視できないことだ。後で主に報告が必要だ。
 たしか境目はちょうど、顕現時の岩融の背丈ふたつ分くらいの高低差、断層がある。ということはその下に敵が溜まっている。ここに何も仕掛けていないわけではない。
「良い機会だ。奇襲を仕掛けよう」

(つづきます)

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