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16日二つ目。小話。
友達への、劣等感、優越感、嫌いなわけじゃないしどちらかといえば好きだけど、その友達のために頑張れるかっていったら、まあまあくらい。これからも友達。
…っていう、そんな感じの小話。(ファンタジー色うすい…)



コロナはFaO、FaO:Rに登場の、『琥珀の盾』所属の魔法使い(呪術師)です。
ただ、固有精霊が空間を司るために、呪いとか解呪とかよりも、テレポートの印象が強いと思われます。実際、テレポの回数のほうが多かった気がします。

とっても久しぶりに、しかも資料など見返さずに、その上、友達に対して話させたことがないので、コロナの口調は後日ひっそり修正している、かも、しれません。

徒然なるままに。

…なんか…ちょっと…だいぶ後味悪いかも…しれません。

誤解しないでいただきたいのですが、
あー、墓穴にしかならんからやめとこう。
ともかく、創作は創作、リアルはリアルですのでお間違いなく。書いてあることがイコール私の思想とは限りませんのでね! 推察したり考えたことはあるとしてもね。



◆日常で出会った(2:コロナ)


 私の友達は『盾』の魔法使いだ。
 呪術師として普通に優秀だし、なにより空間転移が得意というとんでもない武器をもっている。

 親友ってわけでもないけど、まあまあ仲良しだ。ふと街で会って、なんとなしにふたりでお茶を飲んだ。
 他愛もない話をしながら、近況報告もちらほらと。

「私もなんかすごい長所があればなあ」

 コロナは、あまり表情を変えない。特に、何か複雑に考えを巡らせたときには。多分、この時も、いろんなことが脳裏を駆け巡ったのだろう。そしてそのうちのひとつふたつを言葉にするのだが、それが大抵無自覚のブラックジョークや皮肉のようになってしまう…と、いつかコロナ本人が言っていた。
 そういうわけでコロナには友達が少ない。比較対象は私。…今となっては、冒険者としての顔の広さはコロナが圧倒的だろうけど、友達というと話は別だ。
 それでもコロナは『盾』で冒険者をやれている。

「…***は、」

コロナは私を名前で呼ぶ。

「そのままがいいな」
「…そお?」
 うん、そう。コロナは頷く。

「私は、***とは話しやすいの。…すごく個人的な理由だけれど」

 ブラックコーヒーが苦手なコロナは、ココアを一口飲んだ。
 
 それに、と。
「***は空間転移や呪術だけでなく、いろんなことが出来るでしょ。それってすごい長所じゃないの?」

 コロナは悪意なく言っているのだ。
 私の心に一瞬くすぶったものは、煙だけ残すロウソクの火のように消えた。

「あのねえ。呪術はともかく空間転移はすっごい長所でしょ。私のは、器用貧乏っていうの。空間転移なんか自分ともうひとり連れて一回やったら打ち切りだからね」

 呪術師が本業のコロナに向かって”呪術はともかく”と言ってしまったのは、残った煙のせいだ。私は優しくもない。ごめんねなんて、今更、心の中ですら思うこともない。自分をも騙すのだ…コロナと同じく私だって悪意はないんだと。

「私はどこにでもいる普通~の魔法使いだよ。コロナは、特別だよ。特別」

 あの煙が消えたあと、まるで贖うように、優しい気持ちが表れるのだ。”特別”と言った声も表情も、優しさ一色。これが本当の私。そのはずなんだ。でも私は優しくなんかない。

 コロナは、純粋だ。きっと私と違って、本当に純粋だ。
 だから今、私の言葉に少しばかり嬉しそうに、ありがとう、と言うのだ。

「…私のはね、私の力っていうより、精霊の力だから。でも、それで繋がった人たちと、…***みたいには出来ないけど、出来るだけ笑顔で接することが出来たらいいと思ってる。
 そういうところが、***の”特別”だと思う。私には、出来ない」

「…そお?」

 少しばかり心が痛む…というより、悲しい。

「うん。私、精霊の力だけじゃなくて、私の力でも”特別”になれたらいいな。呪術と、笑顔とで」

「…そっか。…コロナ、『盾』でやっていけてるじゃん、大丈夫だよ」

「うーん、『盾』だから、やっていけてるんだと思う」

「ふーん? ねえ、呪術はともかく、とか言ってごめんね」

「え? ううん。 呪術は、私じゃなくてもいっぱい優秀な人いるから」

 さて、どう捉えたものか。空間魔法は特別だという自覚はあったのか。いや、精霊の力であって自分の力ではないというコロナの中の認識があるのだろう。残念ながらそうなのだろう。なんでもかんでも歪めて捉えうる私と違って汚れてないから。どうやったらこうなるんだろう。

 まあいいか。世渡りは私のほうが上手だ。
 きっと私はこの先も、コロナの友達だ。

 命なんか掛けれる友達じゃない。大事ではないわけでもない。そんな友達。




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