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こんにちは。

やはり頻度は落ちますな…お久しぶりです。

一年点検のシールを車検のやつかと思って「えっ、あれ、えっ、車検、日にち過ぎてる…?」とか焦ったけど違いました。びびるわ。



文字は書いておりますよ~!
それはもう二次創作も一次創作も。
6月末のREAはレンとエナの会話パートのはずです。レンに魔法語りさせつつもさせすぎないようにせんと…まあエナが突っ込むか聞き流すかしてくれますので大丈夫だと思われ。



ここ最近来てくださった方、ありがとうございました!
6月末には何かしら動こうと思ってますのでまた適当に遊びに来てやってくださいヽ(´▽`)/



そんで…続きから、刀剣乱舞二次創作です。
譲れないキャラ像がある方は読まないでください。




@出来ない和解・殴り合い理解・じゃあ、まあ、茶会(1)
(蜂須賀・長曽祢・同田貫・歌仙・前田(極))


 蜂須賀虎徹は疲れていた。
 せめて浦島虎徹の前ではと我慢し、部隊の雰囲気を悪くするのも良くないと刺を飲み込み続けて、イライラしていた。
 なまじ長曽祢虎徹という刀が――口が裂けても言えないが――悪いやつではないどころか、流石新撰組の長の刀であっただけあって能力もあるし、器も大きいし、慕われているし、とにかく良い刀で癪に障るのだ。贋作を認めるわけにはいかないというのに。
 そんなわけがあって、今日は浦島虎徹もいなくて油断もしていて、ついうっかり蜂須賀虎徹はキレた。
 出陣中のことだ。あろうことか蜂須賀虎徹は長曽祢虎徹に助けられてしまった。蜂須賀虎徹が目前の敵を斬り伏せ、その直後に背後から斬りかかった敵を長曽祢虎徹が斬り伏せた。
 恐らく、長曽祢虎徹がいなければ、無傷では済まなかっただろう。
 だからこそ頭にきた。
「余計なことをするな贋作! 貴様の助けなど必要ない!」
 そしていつもいつも、長曽祢虎徹は抑えた声で応じるのだ。
「分かっている。俺が勝手にやったことだ。お前とは関係ない」
 それがまた癪に障る。
「…馬鹿にしているのか」
 握り締めた拳が震える。いつもなら終わるはずだったやりとりが思わぬ形で続いて、長曽祢虎徹は少々戸惑った。
「そんなつもりはない」
 睨めつける蜂須賀虎徹が再び何か言う前に、歌仙兼定が、前田藤四郎が、声をかけた。
「長曽祢、ちょっといいかい」
「蜂須賀さん! 手を貸して頂けますか」


「気苦労をかけるな、歌仙」
 長曽祢虎徹が謝ると、いや、と歌仙兼定。
「君にはどうしようもないことだろう。…君が虎徹と名乗ったわけじゃない。君は”虎徹”でなかったとしても立派な刀だっただろう」
「だが俺は望まれた。誰が何と言おうと、俺は長曽祢虎徹だ」
 長曽祢虎徹はどこまでも真っ直ぐにそう言い切った。歌仙兼定は、微笑んだ。
「ああ、そうだろう。…安心した」
「む?」
「あんなに言われては、流石に落ち込んでいるのではないかと心配していた」
 長曽祢虎徹はふっと笑った。だがすぐに心配そうな表情を見せる。
「俺はいいんだが…」



 あの、と前田藤四郎。何を、どう表現したものかと迷い、こう言った。
「蜂須賀さんが優しい方であることは、皆知っています。だから、大丈夫ですから…ご無理をなさらずに」
 ひどく自分が惨めに思えた。蜂須賀虎徹は、うまく笑えた自信がない。
「…すまない。ありがとう、前田」
 前田藤四郎はまだ心配そうで、しかしそれ以上何も言わなかった。
 
 ――あいつならこういう時、いつものように色々なことを押し隠して、にっと笑って安心させるのだろうか。



 歌仙兼定とは、仲が良いほうだった。
「蜂須賀」
 だからその夜、食堂から出るときに声をかけられて、なんとなく嫌な予感がしたのだ。
「無理をしていないかい」
 この刀は、基本的に優しいのだ。そしていろんなことを気にする。
 優しい声だったので、蜂須賀虎徹は逃げるように顔を背けた。
「別に」
 まるで大倶利伽羅だな、と歌仙兼定は苦笑した。まだあの一匹龍とはうまく話せない。
「なら、いいんだが。…君が、色々と努力していることは僕も皆も感じ取っている。差し出がましいことだろうが、君が虎徹の真作として許せないことがあるのも分かっている」
 贋作を許せないのだと。
 蜂須賀虎徹は微かに眉根を寄せた。
「だが君は本来、優しい刀のはずだろう。常に辛辣な態度を取ることは、君自身を疲弊させるのではないかい」
「…だからやめろと?」
 低い声で問い返す蜂須賀虎徹。
「急には無理だろう。しかし徐々に変えていかなければ、きっと君は疲れきってしまう。…手に取った人間が彼を虎徹と呼んだ。彼は呼ばれて、そして刀として働いた。偽ろうとしたわけでは」
「そんなこと」
 歌仙兼定の言葉を遮って、蜂須賀虎徹は抑え気味の声で噛み付いた。
「俺が、一度も、考えたことないはずが、ないだろう…!」
 はっとして歌仙兼定は口をつぐむ。蜂須賀虎徹の言葉はまだ溢れる。
「俺が贋作を許してどうする…! 俺は、刀匠が、命を打ち込んだ虎徹の真作だ。あいつがどんなに…どんな刀だろうと、許すわけにいかないんだ」
 言葉を失った歌仙兼定の横を、蜂須賀虎徹はすり抜けていった。

(つづきます)

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3月31日です。
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