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こんばんは。
帰ってきてはいたのですが。
お久しぶりです?

眠いです(いつもか)。

色々ありましたが書こうと思っていましたが色々ありすぎてやめました(おい!)。

今、此処、自分。
いつか思ったことではありますが、改めてそんな話を聞きまして、
難しいことですわねえ。
でも時々この考え方が助けになるのです。



何はともあれ二次創作書きたくて、でも書きたいやつから逸れて、なんか違うのが出来ましたので載せておきます←
今回は哲学かな? シリアスかな?



ここ数日来てくださった方、ありがとうございました!
また遊びに来てくださいねえヽ(´▽`)/



以下、刀剣乱舞二次創作です。自本丸設定。
譲れないキャラ像がある方は読まないでください。

今回はわりかしシリアスかな?
多分、ほとんどの、堀川国広がいる本丸が直面し解決しないといけないところかと思われます。
文字数の関係で分けてます。



◆兼さんは選ばない(1)
(堀川国広・歌仙兼定 + 和泉守兼定 + 短刀s)



 兼さん。
 堀川国広が何度口にしただろう。彼の言う兼さんとは、和泉守兼定のことだ。堀川国広とは元の主を同じくする同じ打刀である。

「すみませーん。こっちに兼さん…和泉守兼定は来てませんか? あっ、僕は堀川国広です」
 顕現するなりこの台詞だ。
「残念ながら、まだ来ていないよ」
 若干苦笑気味に歌仙兼定は応えた。そうですか、と、堀川国広は見るからにしゅんとする。しかしすぐに背筋を伸ばして落ち着いた様子で礼をした。
「突然、すみませんでした。和泉守兼定と僕は、主を同じくしていました。もし先に来ているなら、早く会いたくて、つい…」
 最初は驚いたが、どうやら普段は落ち着いていて礼儀正しいらしい。歌仙兼定は微笑んだ。
「いや、構わないよ。それだけの想いがあるのだろう? 僕は歌仙兼定。兼定の中でも随一と言われる二代目兼定、通称之定の作さ」
「兼定…」
 堀川国広がかすかに目を見張った。
「ああ。同じ兼定の名を持つ者として、和泉守兼定も早く顕現させられるといいんだが」
 刀派が同じだからといって、付喪神を呼び寄せることが出来るなどということはない。しかし、根拠などなくても堀川国広の気持ちを思ったとき、歌仙兼定はそう言葉にしていた。
「…ありがとうございます」
 この時の堀川国広の微笑は、どこか切なさを感じさせた。和泉守兼定との再会を、心の底から待ち望んでいるのだと、歌仙兼定は理解する。
「歌仙さん。これからどうぞよろしくお願いします!」
「こちらこそ、よろしく、堀川」

 堀川国広は、この本丸に顕現した九振目にして初の脇差だった。
 それからたった数日だ。十振目は短刀。そして十一振目は、堀川国広が待ち望んでいた打刀だった。
「俺は和泉守兼定。かっこよくて強い、最近流行りの刀だ」
 鍛刀にて。近侍は、堀川国広。僕が呼ぶまでもなかったねと、後に歌仙兼定に言われた。
「兼さん…!」
 感極まって言葉を失い、堀川国広はただただ顕現した彼を見つめていた。和泉守兼定はふっと笑う。
「待たせたな、国広」
 ふるふると堀川国広は首を振る。
「ううん。兼さん、また、これからも、よろしくね!」
「おう! 任せとけ」



 函館は、和泉守兼定と堀川国広の主であった、土方歳三が死んだ地だ。銃に撃たれた土方歳三が帯びていたのは、堀川国広、だと言われている。
 和泉守兼定は、函館での合戦の前に、人に預けられ土方歳三の故郷へ運ばれた。

 侍の時代の終わり。
 函館でのことを、土方歳三の愛刀二振がどう捉えたのかなど誰も知る由はない。

 ただ、付喪神・和泉守兼定が人の身を得てそこへ赴いた時、その青い瞳に止めどない涙が満ち溢れた。
 そして零れ落ちる輝きから、堀川国広は目を逸らすことができなかった。



 歌仙兼定は堀川国広を探していた。函館出陣の後、審神者・代も心配していたし、なにより歌仙兼定自身が、彼を心配していた――二つの意味で。
 ようやく十数振が顕現したこの本丸。空き部屋もまだまだある。
 春の気配、桜はもう少し先か。風は少しまろやかになってきた。
 気持ちの良い風に一時心が安らぐ。歌仙兼定は縁側を歩きながら広い庭を、空を、眺めるともなしに眺める。この安らぎを、この本丸を、壊しうるのならば、斬らねばなるまい――安らぎに隠された静かな心の底に、刃が煌いた。

 空き部屋の障子が半分開いていた。
 壁に身体を預けて座り、堀川国広が外を眺めていた。歌仙兼定は足を止める。堀川国広は歌仙兼定を見上げて、控えめな笑顔で、ああ、と。
「歌仙さん」
 覇気のない声だ。歌仙兼定の心を憐憫の情が満たした。
「堀川。隣、いいかい?」
「はい」
 歌仙兼定は静かに障子を開けきって、空っぽの和室、堀川国広よりも少し部屋の奥へ入る。傍へ、流れるように無駄のない動作で正座した。ここからなら風景も、堀川国広の表情も見える。
「歌仙さんは」
 堀川国広が外に目をやったまま尋ねた。
「何を守っていますか?」
 問が、幅広い。歌仙兼定は一時考えた。そしてただ一言、応じた。
「誇り」
 堀川国広がゆっくり歌仙兼定を振り返った。考えあぐねているのか、理解できなかったのか、はたまた予想外の答えだったのか。
 歌仙兼定は真剣な表情で続けた。
「僕は、人々と、僕の…僕たちの誇りを守るために戦っている」
 誇り、と堀川国広は呟いた。




(2につづきます)

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