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こんにちは。

REAが地味に進んでますが…アップはどうかなー(おい)



そういえば書いてあった二次創作を上げます。
なかなか冷めませんね、刀剣乱舞は。

ところで銀魂、単行本で追っているのですが、完結というか一応完結したらしいですね。
はよ読みたいなー。



ここ最近来てくださった方、ありがとうございました!
また遊びに来てくださいねえヽ(´∀`*)ノ



つづきから、刀剣乱舞二次創作です。
※ちょっと審神者がいます。
※最後、雅じゃない・間接的に汚い描写があります。一応、話としては読まなくても大丈夫です。閲覧自己責任でお願いします。
※酔いによるキャラ崩壊注意。

 初期11振の頃の若干苦き思ひ出。代さんとこの秋田は酒豪。最後、スペース空けますが 歌 仙 が 粗 相 し て ま す ご注意を。粗相から学ぶ酒の飲み方。(最後読まなくても話としては読めます)。


◆酒は雅に、楽しく飲むべし
(歌仙・同田貫・秋田 + 前田・五虎退・小夜・乱・薬研・愛染・和泉守・堀川)

 ふと喧騒から離れて縁側へ出た。微風と木葉の音、虫の声、敷居をひとつまたいだところから聞こえる宴会の音。
 歌仙兼定はほろ酔いの頭で、随分と大所帯になったものだ、と思うともなしに思った。
 
「ここは涼しいなぁ」
 厠からの戻りだろう、同田貫正国が歌仙兼定に声をかけた。
「そうだろう」
 歌仙兼定は微笑んだ。その余裕のある表情に、同田貫正国は問いかける。
「飲んでるか?」
「ああ、美味しく頂いているよ」
「そうか」
 そういえば、と歌仙兼定は暫定酒豪トップ3のうちの一振の心配をする。
「秋田はどうだい?」
「あー、さっきはまだ次郎太郎と酌み交わしてた。楽しそうだったぜ」
「そうか。それは良かった」
 ふ、と二振して意味ありげに笑ってしまった。この本丸の秋田藤四郎は、酔ってから潰れるまでが長い酒豪だ。29,30振と連続して次郎太刀、太郎太刀が来てくれてよかった。
「同田貫、明日、手合せしてくれるかい」
「おう、いいぜ。ちょっと間が開いたなぁ」
 へへ、と同田貫正国は楽しそうに笑った。
「楽しみだなぁ。あんたの太刀筋、好きなんだ」
「前も聞いたよ。君の太刀筋もね、真っ直ぐで、力強くて、…一言で表せば、強くて好きだ」
「へへ、いいねぇ、一番の褒め言葉だぜ。明日も楽しみだなぁ」
 宴会場に戻っていく同田貫正国。明日も楽しみだという言葉が、歌仙兼定の中で波紋のように広がった。
「そうだねえ」



 審神者はゆっくり飲む人だから安全だった。
 刀剣男士が増えるとそれだけ飲み方も多種多様になった。
 これを見越していた審神者が一度だけ、今日はしっかり飲ませると宣言した飲み会があった。その体の限界を知っておいたら、新しい仲間に失態を見せなくて済むと言われて、まだ11振しかいなかった頃、ほぼ全員揃ってやらかした。

 前田藤四郎は全員と酒瓶と空き缶と障子と虚空に向かってひたすら何かしら感謝して感謝して感謝し倒していた。いつの間にか寝ていた。
 五虎退は突然泣き出したかと思うと、みなさんに会えて嬉しいんですなどといろんな人に抱きついた。
 薬研藤四郎はいつも通りかと思いきや、不意に寝て翌日の昼まで起きなかった。
 小夜左文字は笑いの沸点が異常に低くなって、大笑いこそしないものの何度も俯いて腹を抱えていた。最終的に五虎退に抱きつかれたまま二振して寝た。
 秋田藤四郎は、強かった。酔って笑いながらなんども乾杯し、自分と人のコップに善意で酒を注ぎ続けるという悪質な酔い方をした上に、なかなか潰れなかった。そして記憶も無くさず、翌日全員に謝り倒していた。あれくらいなら可愛いものだよと審神者に慰められていた。
 乱藤四郎はよく笑い、秋田藤四郎とも楽しく踊ったり飲んだり歌ったり飲んだりしていたが、結果、秋田藤四郎に潰された。薬研藤四郎がそっと乱藤四郎にタオルケットをかけて、それから寝るという男前を発揮した。
 10振目として顕現した愛染国俊は、どうしたことか五虎退にもらい泣きしてから涙が止まらなくなっていた。
 堀川国広は、酔うまでが長かった。よってほぼ全員の介抱をしていた。
 11振目として顕現した和泉守兼定は下戸だった。酒の匂いを嗅いだ時の表情で、下戸だと察した堀川国広が頑張っていたが、秋田藤四郎の手によってあっさり陥落した。和泉守兼定の陥落によって、色々どうでも良くなった堀川国広は、仇討ちをとばかりに秋田藤四郎へ酒を勧めていたが返り討ちにされた。
 最後に残ったのは、秋田藤四郎、まだまだ余裕のある同田貫正国、ほろ酔い程度の歌仙兼定、戦線崩壊もとい涙腺崩壊している愛染国俊だった。
 審神者は、”貴方たちの体がどれくらい人間なのか測りかねているけど、とりあえず、人間の場合、一気飲みで死ぬことがあるから一気飲みはしないように。主命です”と言い残して、愛染国俊を撫でながら寝た。

「まったく…雅じゃない…風邪を引かないでおくれよ…」
 主がすべて見越して準備してあった人数分のタオルケット。堀川国広と主が戦線崩壊した者に掛けていっていた。主と愛染国俊には、歌仙兼定がぶつぶつ言いながら掛ける。
 秋田藤四郎は何杯目かを同田貫正国のコップに注ぐ。同田貫正国も注ぎ返す。
「同田貫さんは弱点はないんですか! 僕は手合せであんまり勝てなくて悔しいです!」
「俺は強えからな。あんたは真っ直ぐ過ぎだ。嫌いじゃねえが見切りやすい。けど、最近はちょっと工夫してんだろ? いい感じにやりにくいぜ」
「本当ですか! じゃあもっとやりにくくなるように頑張ります!」
「おっしゃ。全部対応してやるぜ。へへっ」
 そうして二人して、主命を守るため1,2口分は残してほぼ飲み干した。
「歌仙もさぁ、」
 歌仙兼定が戻って座るか座らないか、同田貫正国から唐突に飛び火した。秋田藤四郎が喜々として歌仙兼定にも酒を注ぐ。
「最終的に力づくってのが毎回パターンなんだよな。腕っ節じゃ若干俺のほうが有利だって分かってんだろ? どうにかしろよ」
 ほろ酔い歌仙兼定は微かに目を据える。
「君ねえ、今日の手合せで僕に押し負けておいて、どの口が言うんだい」
「今日のはすげえいい機会を狙ってきたじゃねえか。ああいうのがいいんだよ。俺が受けにくいところを狙って打ち込んできたんだろ? 違えのかよ」
「…直感だったよ」
「いい直感じゃねえかよ。計算が苦手ならその直感もっと磨けよ。俺もその上をいくようにするからさぁ」
「ほう、そう簡単に、僕の上を行けると?」
「簡単じゃねえから、いいんじゃねえか」
「歌仙さんと同田貫さんは、手合せほとんど互角なんですよね! いいなあ、僕もそこまで行きたい。…行きます! かんぱーい!」
 謎の流れで秋田藤四郎が言うと、だいぶ酔った歌仙兼定と、ほろ酔いになってきた同田貫正国が素直に乾杯に応じた。一口残してほぼ飲み干す。
「明日も僕が勝つからね、同田貫」
「馬鹿言え、今日と同じ手は通じねえ。俺が勝つ」
 秋田藤四郎はまだ残っていた酒に手を出して、三振全員のコップに注ぐ。一足先にそれを何口か飲んで、美味しいなあ、と呟いた。
「明日も元気に手合せしましょうねえ!」
 と、歌仙兼定と同田貫正国のコップに自分のコップを当てた。そして酒を煽る。釣られて同田貫正国が酒を煽る。釣られて歌仙兼定も酒を一口飲んで、そこで、コップから口を離した――この酒は、美味だが、これ以上はまずい。何がどうまずいのか分からないが、なんだか、まずい。
「どいつもこいつもぐんぐん強くなりやがる。俺ぁ楽しいぜ。毎日毎日、手合せやら出陣やら、新しいやつらも来るしなあ、へへっ」
「僕の兄弟たちも、みんな早く来ないかなあ。会えるのが楽しみです」
「秋田は兄弟何人いるんだ? もう乱と、薬研と、五虎退と、前田と…いるじゃねえかよ」
 秋田藤四郎はふと気を惹かれたのか、おつまみに手を伸ばした。
「まだまだ! まあだまだですよー! たくさんです! …あっ。これ。美味しい。お酒が進みます~」
 へえ、と同田貫正国もおつまみに手を出した。食べて、そして酒を飲む。
「あー、本当だ」
「進みますねえ」
「進むなあ」
 笑い合って二人はコップをカチンと合わせた。なぜか歌仙兼定にも笑いかけて、流れで歌仙兼定も乾杯した。乾杯はしたが、歌仙兼定は二口だけ飲んで、止める。
「あれ、歌仙さん、美味しくなかったですか?」
 秋田がコップを覗き込んだ。
「美味しいからね、ゆっくり飲んでいるんだよ」
「なるほど! さすがです、雅です、でも僕、注ぎたいです、歌仙さん! 日頃の感謝を込めて」
 初めての飲み会だった。だから歌仙兼定は、そうかそうかと、まずい気はしつつも、秋田藤四郎のために、微笑んでコップを空けた。するとなぜか、秋田藤四郎と同田貫正国も飲んでいた。
「君たち、大丈夫かい? 加減が分からないが、そろそろ飲みすぎなんじゃないかい?」
 自らも、いよいよこれ以上はまずいと自覚しながら、歌仙兼定は心配した。
「まだまだいけるって。あんたは心配しすぎなんだよぉ」
 ちょっと語尾が伸び気味だ。
「僕はとっても楽しいれす。えへへへ」
 秋田藤四郎もいよいよ怪しい。
 しかし二振はまだまだ、おつまみとお酒を交互に口にする。
「それで、一期一振っていう、粟田口吉光の唯一の太刀、いちにぃがいてー」
「そいつ、強えのかよぉ」
「ぜったい強ぇですよー! 僕たちのお兄さんですから。えへへ」
 秋田藤四郎が船を漕ぎ出すと、そろそろ寝るかぁ、と同田貫正国が秋田藤四郎を支えようと手を伸ばしてふらついた。
「ほら、もう飲みすぎだよ」
 歌仙兼定が、仕方ないなあと笑って秋田藤四郎を支えて横にならせた。えへへ、と秋田藤四郎は笑って、あっという間に眠ってしまう。タオルケットをかけてやる歌仙兼定に、同田貫正国もまた眠そうな眼差しを向けた。
「すまねえなあ、歌仙」
「まあ、主が飲めとも言ったからね、今日くらいはいいだろう。これで加減が分かった」
 おう、と言いながら、同田貫正国は眠そうに大あくびをした。そして、言い直す。
「歌仙、いつも、すまねえなあ」
「…どうしたんだい、急に」
「あんたの素直が伝染ったかなぁ」
「違うね。僕は君の素直を伝染されたんだから」
「はあ? まあ、どっちでもいいや」
 いつもよりゆるく、いつものように楽しそうに、同田貫正国は笑う。
「俺ぁあんたの太刀筋が好きだ。明日も楽しみだ…」
 ふふ、と笑って歌仙兼定は、同田貫正国のためにもう一枚タオルケットを取りに数歩行く。
「君の太刀筋もねえ、真っ直ぐで、力強くて、自信にあふれていて、鮮やかで、柔軟で…」
 振り返れば、同田貫正国は寝てしまっていて、歌仙兼定は、ふう、と息をついた。
「僕も明日が楽しみだ」
 
 時を越える戦の最中。
 少し余裕が出来たばかりの本丸。
 負ける気のしない明日を超えて行く。続く戦の、勝利は幻ではないだろう。


***




 歌仙兼定は腰を下ろして、コップに残っていた1,2口程度の酒を飲み干した。つい、うっかり。
 その数秒後、初めて経験する不快感がこみ上げた。なんだか分からない。分からないが、まずい。多分、1,2口の酒を飲むべきではなかった。どうすればいいのか分からない。だがまずい。何かまずい。
 幸い2歩の距離にいた審神者を、声を出すのもつらかったので、文字通り叩き起させてもらう。
 審神者は目を開けて歌仙兼定の切羽詰まった青い顔を見るなり、すべてを見越して用意してあったアイテムのひとつ、緊急避難用最終兵器BAKETSUを突き出した。

 誰も見てない、自分も見てない、厠に流してきなさい、口をよく漱ぎなさいと、何でもない風に審神者に言われて、歌仙兼定は素直に従ってとぼとぼと飲み会会場を後にした。
 
 歌仙兼定は、楽しく、雅に飲むことを覚えた。
 以後の宴会で誰かが何かをやらかしても、雅じゃないと怒ることはなく、ただ少々苦い顔をして、これで加減が分かっただろうと窘めるのだった。

◆おわり。
短刀たちの酔い方は、厳正なるあみだくじによるものです。

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