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何年生きているのか知らないエルフと、カウンター席で隣になった。
中堅手前の魔法使いは、初対面のそのエルフが黙って聞いてくれるもんだから、いつのまにか愚痴をぶちまけて、そのうち、自分が本当に心の底で嫌だったことを見つけた。
泣きそうな気持ちももちながら、そのことを、これが嫌なんだ、本当にしんどくなるんだと、心の底から訴えると、
そのエルフの彼は、これまでよりも少し深く頷きながら、
仕方ないよなあ、困ったよなあ、というような笑顔でこう言った。
「本当にね」
不覚にも、涙が出た。
しばらく話して、最後に彼に言った。
「まあ、明日からも頑張るわ」
彼は頷いた。
ありがとう、とお礼を言うと、こちらこそ、と彼は言った。
少し遠い目をして、
「僕も、明日からも頑張ることにしよう」
と。
後に知ったが彼は『琥珀の盾』サブロードであり、あの一流中の一流回復術士、セルヴァだった。
驚きと、失礼なことをしたという気持ちと、そして、あんな人でも、人の子なのだなあと、不思議な気持ちになった。
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