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こんばんは。
◆いつかふと思い出す日1 はつづきから。
連勤の始まりです。
なかなか恐ろしい連勤です。がんばろう。
*
ここ数日来てくださった方、ありがとうございました!
また遊びに来てくださいね~!ヽ(´∀`*)ノ
*
去年の12月あたりに非公開記事で書いてあったやつをちまちま修正したり足したりしてました。
こっそり修正したらすみません。多分しないです。
…これセルヴァ何歳かなぁ…。
ギリギリ少年の、青年だと思われますが。
お婆ちゃんから見たら、少年でしょうがね。
◆いつかふと思い出す日1 はつづきから。
連勤の始まりです。
なかなか恐ろしい連勤です。がんばろう。
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ここ数日来てくださった方、ありがとうございました!
また遊びに来てくださいね~!ヽ(´∀`*)ノ
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去年の12月あたりに非公開記事で書いてあったやつをちまちま修正したり足したりしてました。
こっそり修正したらすみません。多分しないです。
…これセルヴァ何歳かなぁ…。
ギリギリ少年の、青年だと思われますが。
お婆ちゃんから見たら、少年でしょうがね。
◆いつかふと思い出す日1
昨日りんごを拾ってくれた坊や、と。
小人族の老人は、セルヴァを見て目を丸くした。
戦士小人とも呼ばれるゴブリン族の老婆だ。背はしゃんとしているが、それでも、ゴブリン族であるということを鑑みてもとても背が低い。戦いのために在った大きく分厚い手でまたも大きな紙袋を抱えて、人気のない早朝の街の隅っこにひどい有様で座り込んでいるセルヴァに、危なげなく歩み寄った。
「どうしたの、こんなところで。まあ、あぁ、あーら、まぁ…」
思わず言いながらしげしげと見てしまうのも無理はない。
ひとつに束ねた黒髪は乱れに乱れているし、見れば乾いた涙の跡が頬にこびりついている。
どうもただ事ではないと、小人族の老婆はともかく、大きな袋を置いた。
「どうしたの、こんなところで」
セルヴァの前に、石の道が冷たいのも気にせず、老婆は座り込んだ。座ると紙袋と老婆の背が揃う。
セルヴァは無言だったがやがて、微かに顔をしかめた。
「…疲れました」
老婆はしばらく待った。
そう、とゆっくり頷いて、さらにしばらく待った。しかしエルフの少年から出てきたのは、疲労や痛みの滲むため息だけ。
それを柔らかく見守って、ゴブリンでもエルフでも男の子は意地っ張りね、と、老婆が思ったことをセルヴァは知る由もない。
「じゃあ坊やが座って休んでいる間に、私が髪くらい結っておいてあげましょ」
よっこらしょ、と老婆は立ち上がる。紙袋より背が高くなった。どこからともなくクシを取り出して、老婆はセルヴァの背中のほうへ回った。
「あらあら、まぁ。坊や、一度髪を解きますよ」
それからしばし間があった。やがて、俯いて丸まったセルヴァの背中に、片手が、とっ、と着かれた。それから、あららら、と言いながら老婆はセルヴァの背中に乗りかかるように倒れた。
思わずセルヴァは振り返る。
「だ、大丈夫ですか」
「だーいじょうぶ、大丈夫。坊や、背が高いわ。私は小さいし。少し私に、頭を近づけてくれると助かるのだけど」
セルヴァは、背中を伸ばして、少し頭を後ろに反らした。
「あらら、ありがとう。これなら届きそうよ。坊や、背が高いわ。もう、やあね。ごめんなさいね、私が勝手にやっていることなのに、手伝ってもらっちゃって」
老婆は――どうしても背中側から髪を結いたいらしい。
真っ直ぐ結うために真後ろから結いたいとしてもだ。解く時くらいは、側面から手を伸ばせばまだ届きそうなものを、ゴブリン族の老婆は、妙な闘争心から、背中から手を伸ばしたのだった。老婆自身、自覚していた。そして一度闘争心が燃えてしまえば、負けるわけにはいかなかった。
意地でも、解いてから結び終わるまで背中側からやる。
そんなわけでセルヴァは老婆のために、俯けていた顔を上げて、むしろ背を後ろにそらし気味にし、老婆の手の届くところへ自分の髪をやろうと工夫することとなった。
老婆はセルヴァの黒髪を解き、櫛で梳いて、どこか楽しそうに、きれいな髪ねえ、と呟く。小さな体にしては大きな手できっちり髪を三つの束に分けて、三つ編みをし始めた。
彼女を気にかけていたセルヴァは滞りなく作業が始まったことに少し安心した。
そこでようやく、セルヴァの瞳は、空の青さを映した。
すうっ、と、自分が息をして、空気が流れ入るのを感じた。
冷たいというより、涼しく清々しい空気だ。
もう、陽が昇ってどれくらい経つだろう。
そろそろ――…。
(帰ろう…)
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